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今回紹介する技術・製品
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精製中にクリーンな空気しか触れない特殊構造
蒸留水の品質アップ・高純度を実現!
蒸留水製造装置 RFD200NC・300NCシリーズ(一部機種を除く)
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ラボや研究室などで多様化する純水の用途
蒸留・非加熱方式など多様な純水・超純水製造装置のラインナップで対応
理化販売促進部
空戸 浩 部長
研究室やラボで使われる純水は、安く大量に必要となる器具洗浄向けや、微生物検査に使われる純度レベル、高精度の分析用に使う超純水など、その用途によって純度のグレードが違います。純粋なH2oに近づけるほど製造コストが高くなり、業務の精度と品質の維持とコストを両立させるためにも、用途に合わせた最適な純水の利用が今求められています。しかもそのニーズは細分化しており、純水の選び方は年々難しくなっています。
こうした状況に対し当社では、蒸留(加熱)方式と非加熱方式で純水を精製する純水・超純水製造装置の幅広いラインナップを取り揃え、さまざまな利用用途や純度に合わせた純水を提供しています。なかでも今回開発した蒸留水製造装置「RFD200NC・300NCシリーズ」は、完全クリーンな空気のもとで行える新構造で、これまで蒸留方式では弱いと言われていた品質を解決し、“高純度の純水”を実現した画期的な製品です。
従来の蒸留方式の問題は、精製中の純水と空気の接触による純度の低下
クリーンな空気しか接触させない特殊構造で解決 RFD200NC・300NCシリーズ
純水製造装置には蒸留式と非加熱式があり、蒸留式は水を100度に加熱するので細菌や微生物、低沸点の化合物を除去できるメリットがあります。しかしながら一方で、工程にはそれらを排気するための放出孔が必要で、そこから大気が侵入して精製中の純水に不純物が溶け込んでしまい、純度が低下してしまうという問題がありました。
純水はハングリーウォーターと言われ、外気から不純物を取り込みやすいという特性があります。RFD200NC・300NCシリーズではそれを防ぐために放出孔に3層構造のエアフィルター付エアチャンバーを装備。揮発性有機物は活性炭で、二酸化炭素は苛性ソーダで、微粒子や微生物はPTFEメンブレンフィルターで取り除き、精製時に接触する空気をすべて不純物のないクリーンな空気にすることでpH7に近い高純度の蒸留水の精製を可能にしました。
また、精製した蒸留水を貯めるタンクにも3層構造のエアフィルターを付け、タンク中の水にも不純物の溶け込みを防いでいます。精製と貯留の2重でクリーンな環境を確保し、高純度の純水精製と使用ができるようになっています。
滴定分析などでも使えるほどの純水の品質を実現
カラー液晶タッチパネルで誰でも使える操作性
未来の科学へADVANTEC
蒸留水は煮騰により、水の中の細菌や微生物の除去ができるという特長がありながら、外気と触れるため純度が落ちるという認識が広がっています。RFD200NC・300NCは蒸留式の課題を一つずつ解決することで従来製品に比べて精製純度を大きく改善でき、今までpHのバラつきが大きく、活用が難しかった滴定分析などにも活用できるようになりました。
また手袋で操作できるカラー液晶タッチパネルの搭載など操作性も向上しており、誰でも簡単に使えるようになっています。
今後もより使いやすく、さまざまな用途に活用できる蒸留水製造装置を開発し、「未来の科学へADVANTEC」のコーポレートスローガンのもと、実験や研究開発の効率アップを支援していきたいと思っています。