メンテ頻度を大幅削減。高耐薬性・高耐熱性の医薬製造向けパッキン

掲載開始日:2018-06-04 00:00:00.0

メンテ頻度を大幅削減。高耐薬性・高耐熱性の医薬製造向けパッキン デュポン株式会社

安全性と品質への要求が高まり続ける医薬品の製造プロセス。設備に対する洗浄・殺菌もより強力な手法が用いられるようになっていますが、シリコーン系やフッ素系など従来のゴム材を使用したパッキンでは、短期間で劣化してしまうため頻繁な交換が必要となる点が課題でした。今回、従来のゴム材に比べ非常に優れた耐薬品・耐熱性が特長の「医薬品製造プロセス向けカルレッツ®パッキン」についてデュポンに話を聞きました。

今回紹介する技術と製品

「医薬品製造プロセス向けカルレッツ®パッキン」

「医薬品製造プロセス向けカルレッツ®パッキン」は、幅広い薬品に対して優れた耐性を有し、300℃の高温環境においても物性を保つ高分子材料「カルレッツ®」を使用した製品です。フッ素ゴム製など従来のパッキンに比べ長寿命なためメンテナンスコストの大幅削減に貢献。また、USP Class VI適合、動物由来原料不使用など各種規制に対応しています。

この記事で紹介した製品の関連資料がダウンロードできます。

ゴム材の中で最高の耐薬品性・耐熱性を実現。
保守費用の増大や異物混入リスクなど現場の悩みを解決

トランスポーテション&アドバンスドポリマーズ事業部 べスペル®・カルレッツ®製品部 営業課長 片岡博彰氏

トランスポーテション&アドバンスドポリマーズ事業部
べスペル®・カルレッツ®製品部 営業課長 片岡博彰氏

「カルレッツ®」は米国・デュポン社が開発したパーフロロエラストマーに分類される高分子材料です。エーテル類、アミン類、ケトン類、酸化剤、有機溶剤、燃料、酸、アルカリなど幅広い薬品に対して優れた耐性を示し、300℃近くの高温環境においてもゴムとしての物性を保つなど、ゴム材の中で最高の耐薬品性・耐熱性を有します。

この「カルレッツ®」の配合を医薬業界向けに調整し、Oリングやサニタリー継手パッキンとしてご提供しているのが、今回ご紹介する「医薬品製造プロセス向けカルレッツ®パッキン」です。

近年、より安全で高品質な製造プロセスへのニーズが高まり、生産設備に対してより強力な洗浄・滅菌処理が行われるようになっています。しかし、一般的なゴムパッキンは、CIP(定置洗浄)で使用される洗浄用薬品や、SIP(定置滅菌)で使用されるピュアスチームによって数カ月~1年程度で劣化してしまいます。

パッキンの劣化が進むと破片が製品に混入するリスクが高まるため、劣化する前に交換する必要がありますが、そのサイクルが短いほど交換の手間やコストが負担となり、生産性にも悪影響を及ぼします。こうした課題を解決できるのが、「医薬品製造プロセス向けカルレッツ®パッキン」というわけです。

半年毎のメンテナンスが、4年間不要になった例も。
USP Class VI適合、動物由来原料不使用など各種規制に対応

EPDM、シリコン、ニトリル、フッ素など従来のゴム材に比べて耐熱・耐薬品性に優れる

EPDM、シリコン、ニトリル、フッ素など従来のゴム材に比べて耐熱・耐薬品性に優れる

「医薬品製造プロセス向けカルレッツ®パッキン」は、従来の製造プロセスで用いられてきたゴムパッキンに比べて非常に優れた耐薬品・耐熱性を有します。そのため、CIPやSIPを行っていても数年単位で使用でき、メンテナンス頻度の大幅削減が可能です。メンテナンスが少なくなれば、設備のダウンタイムも短くなるので生産性の向上にも貢献します。

あるお客様では、医薬品の調合や充填工程でシリコーンゴム製パッキンを使用していましたが、医薬品の成分やSIPのピュアスチームによってシリコーンゴムが短期間で劣化してしまうため、6カ月ごとにメンテナンスを行っていました。そこで、本製品に代替したところ、4年以上パッキン交換が不要となり、大幅なコスト削減に成功しました。今では新規のプラントや製造ラインに、設計の初期段階から導入いただいております。

もう一つ、本製品の大きなメリットとして挙げられるのが、各種規制への対応です。医薬品の製造プロセスでは、接液する部品に対し、USP(米国薬局方)Class VI適合素材を使用することが求められています。また、BSE/TSE汚染リスクへの懸念から、動物由来原料の使用も禁止されるケースも多くなっています。「医薬品製造プロセス向けカルレッツ®パッキン」はUSP Class VI適合で、動物由来原料も使用していないため、こうした規制に対して問題なく対応可能です。動物由来原料不使用の証明書も発行できるので、外部の評価機関にサンプルの分析を依頼する手間も省けます。

今年後半に海外の配管規格対応の新配合を販売予定
インターフェックスで実物を展示

第31回インターフェックスでは新製品を含む4種類の実物を展示

第31回インターフェックスでは新製品を含む4種類の実物を展示

私自身、これまで多くの医薬品メーカーの方々と関わってきましたが、製造現場における安全性への意識はどんどん高まっており、本製品にとって追い風が吹いています。一方、新工場・ラインの建設を検討する方々の間では、パッキンの材料を変更することがコスト削減につながる、というイメージがまだまだ浸透していない状況です。

そこで6月27日より開催される第31回インターフェックスでは、医薬品製造に関わる方に向けた2部構成の無料セミナーを実施いたします。第1部では、パッキンに使用される様々なゴム材について解説し、第2部では「医薬品製造プロセス向けカルレッツ®パッキン」の性能や機能についてご説明します。また、ブースでは従来の「医薬品製造プロセス向けカルレッツ®パッキン」に加え、新配合カルレッツ®LS390も展示する予定です。

当社としては展示会への出展をはじめ、今後も本製品のメリットを広く訴え、医薬品製造のコスト削減や品質向上に貢献していきたいと考えています。

第31回インターフェックスジャパン出展

<無料セミナー開催>
日時:6月29日(金) 11:00~12:00 場所:E-1 (東1ホール)
第1部:パッキンに使用されるゴム材の種類と特徴
第2部:カルレッツ®パッキンの優位性

この記事で紹介した製品の関連資料がダウンロードできます。

取扱会社

デュポンジャパン株式会社

デュポン製品の製造、輸出入、販売、研究・開発、技術サービル及び、合弁会社に関する業務

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