製品への市場要求が高度化してきているため、洗浄、塗装をクリーンな環境下で行えるようにしたいとご相談いただきました。 有機溶剤による洗浄・塗装を行うので、適切な排気処理を行う必要があり、導入コストを抑えるために、既設の空調設備はそのまま使用して、温度管理を行なう必要がありました。
問題点
1. 既設の部屋は天井材も一般的な建材(ジプトーン材)でできており発塵性が考慮されていない。
2. 浮遊粉塵が製品に付着したまま洗浄、塗装を行うと埃が再付着し、高い品質基準をクリヤーできない。
3. クリーン化した部屋への入退室、製品の搬出入時に、クリーン度が低下しない設計が必要。
4. 排気のみではクリーンルーム内が陰圧になってしまう為、クリーンエアの供給も行い、全体として陽圧にする必要がある。
5. 洗浄で発生する臭気と、塗装工程で発生する塗料を一つの排気設備で処理したい。
基本情報【事例紹介】既設部屋をクリーンルーム化。
既設の壁や空調設備を利用しながら、クリーン化に必要な建屋構造に改造し、循環型床置きFFU(ファンフィルターユニット)を導入することで、クラス10000のクリーンルームの実現をご提案。クリーンルームエアコンへの置き換えに比べて大幅なコストダウンが可能になります。排気設備はご要望のお応えし、洗浄、塗装の両工程で共用できる設計を提案。
ポイント
1. 天井材をジプトーン材から化粧ケイカル板に張り替え、天井部からの発塵をなくす。
2. 出入り口となっているシートシャッター、両開き扉にそれぞれエアシャワー付前室を設置、外部からの塵埃をシャットアウト。
3. 排気設備を共用できるように、連続している洗浄、塗装作業スペースを移動する、レール保持式排気フードを設置。作業にあわせ、排気フードを至近距離に移動させることで排気効率を確保する。
4. 吸引した塗料の排気設備(ダクトや、ブロワ―)への付着を防止するため、排気フードにステンレスメッシュ製フィルター(SUSデミスター)を取付け。
5.排気により陰圧になることを防ぐために、FFUを天井部にも設置し、外気導入を行う。
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