食品工場では蒸気エネルギーが大量に利用されています。電力は省エネ対策やエネルギーの見える化などの取り組みが進んでいる一方で、蒸気や熱を活用した省エネルギー対策はこれほど進んでいません。
省エネ対策が進まない理由の一つに電力と比較して蒸気は計測が難しく、省エネ効果が把握しにくいことがあげられます。
工場で使用される蒸気は、ボイラで製造された後、配管からの放熱ロスや蒸気漏れ等により損失が生じています。
蒸気用超音波流量計は工事不要で簡単に取付けできるため、流量計増設工事時等の設備停止がなく、今まで導入が難しかった工場や設備における蒸気流量の「見える化」を可能にします。
さらに、エネルギーマネージメントシステムを構築することで食品工場全体の省エネ、エネルギー利用の最適化を実現します
基本情報食品工場向けクランプオン式蒸気用超音波流量計/EMS
■クランプオン式蒸気用超音波流量計の概要
クランプオン式蒸気用超音波流量計は今まで導入が難しかった工場や設備における蒸気流量の「見える化」を実現します。
配管工事不要で簡単に取付けでき、流量計を設置する際に稼働中の設備を停止する必要がありません。
配管外部に設置するため、蒸気漏れや圧力損失がなく、蒸気エネルギーを有効活用できます。また、可動部がなく、ウオーターハンマーの影響も受けないためメンテナンス費用の低減が可能です。
蒸気流量の「見える化」に貢献し、EMS(エネルギーマネージメントシステム)と連携することで無駄の発見、工場の省エネ、エネルギーマネジメントの最適化を支援します。
■主な特徴
・工事不要。配管を切断せずに取り付けが行えます。
・圧力損失ゼロ。配管外付けタイプなので, 圧力損失がありません。
・可動部がないため、清掃等の定期的メンテナンス費用を低減できます。
・他方式の蒸気流量計では測定できない、流量0からの測定が可能です。
・質量流量換算が可能です。
価格情報 | 別途お問い合わせください。 |
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用途/実績例 | ■適用事例1:殺菌設備で使用している蒸気の熱収支分析 某A工場の殺菌設備で使用している蒸気について、蒸気超音波流量計を使って熱収支分析を行い、省エネ診断のフィールドテストを実施。このテストの結果、製品出口温度が設計値より5℃以上高く、排温水から約30kWのフラッシュ蒸気が発生しており、設備停止中も蒸気による入熱があることが分かりました。 これらの事象の原因を分析したところ、熱交換器の経年劣化により回収熱量が設計値より低下していることが分かりました。 また、フラッシュ蒸気は0.3MPa (G) の高圧水から0.0MPa (G) の配管に流れたことで発生していたため、フラッシュタンクで分離回収して利用し、廃温水はヒートポンプなどで排熱回収利用できることが分かりました。 ■適用事例2:蒸気量のリアルタイム・遠隔監視システム クランプオン式蒸気用流量計を活用し、工場の殺菌設備に流入する蒸気量のリアルタイム・遠隔監視システムを構築しました。本設備においてフィールドテストを行ったところ、殺菌設備が停止している間も、蒸気が流れていることが分かり、無駄なエネルギーを見える化することができました。 |
詳細情報食品工場向けクランプオン式蒸気用超音波流量計/EMS
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■蒸気のエネルギーロスの見える化で省エネ対策を可能に
省エネ対策を進めるためには、どこに無駄があり、省エネ余地があるか把握する必要です。
食品工場での電力に対する省エネ対策が進む一方で、蒸気や熱はエネルギーの計測が難しいため、省エネ対策が遅れています。
蒸気用超音波流量計は、設置が容易で、小さな流量でも測定が可能なため、蒸気のエネルギーロスの見える化が可能になります
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■設備稼働中でも取付可能、ウオーターハンマーの影響もなし
外付け式の蒸気流量計は、配管工事が不要で、稼働中の設備を止めることなく設置できます。
従来の渦式・差圧式の流量計を導入する場合、配管工事接合部分から蒸気漏れる可能性を100%防ぐことはできません。
クランプオン式の場合、配管の外部に流量計を設置できるため圧力損失やウオーターハンマーによる損傷などの不安がありません。
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■エネルギーの部分最適化から、工場全体のエネルギー管理へ
産業部門のエネルギー消費量で熱利用は最も多く、消費量削減や最適利用が注目されています。
製造業では省エネ化やCO2削減、カーボンニュートラルへの取り組みは必須であり、電力だけでなく熱の最適利用も必要です。
蒸気エネルギーの見える化からエネルギーマネジメントを始めることで、工場全体の省エネ・エネルギーの最適利用を可能にします。
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■工場全体の省エネ・最適運用を実現するエネルギーマネジメントシステム
エネルギーマネジメントシステム(EMS:Energy Management System)を導入することで、電気・水・空気・蒸気など、工場内で使用するエネルギーを系統別に計測できるようになります。実際に使用したエネルギーを把握し、最適な運用によって、省エネルギーを実現します。
食品工場のエネルギーロスの削減、省エネ化、Co2の削減やカーボンニュートラルへの取り組みを推進させるためには、エネルギーを「見える化」「分かる化」「最適化」が必要です。これにより、例えば設備の運用改善や設備運転設定値の調整による省エネ、排熱回収利用、排熱量の削減などの効果が得られます。
カタログ食品工場向けクランプオン式蒸気用超音波流量計/EMS
取扱企業食品工場向けクランプオン式蒸気用超音波流量計/EMS
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富士電機株式会社 パワエレ営業本部 産業ソリューション統括部
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